第3回では、単に何を食べるかではなく、何を吸収するかが、自分を形成することを考察した。今回は、血液を変えることで健康状態をどのように変えられるかを、詳しく見ていく。
健康状態を探るには、血に着目するとよい。現在どんな健康状態にあるにせよ、その大半は血液の成分に左右されている。
イメージしてみてほしい。1日24時間、血液は身体の細胞に栄養分を浴びせている。血液は、細胞に不可欠な栄養分を運んでいるだけではない。代謝で 発生したゴミも収集して持ち去っている。実質的に全身のあらゆる器官と細胞に通じている「栄養と解毒のスーパーハイウェイ」なのだ。
そのため、血液の成分を変えれば、ほとんどの健康状態も変えられると言える。例えば、短期間でよいから健康になりたい人がいれば、健康な人から血液を輸血すれば可能だ。研究で示されているが、ガンを防止する体質をもつ人の血液を取り出し、ガンを患っている人に注入すれば、(例えば腫瘍の萎縮という形 で)その血液の抗ガン効果が即座に現れる。抗ガン性の血液なるものが存在するのだ。抗ガン性の食事をすれば、毎日、抗ガン性の血液を作っていることにな る。
私は、非常に強力な抗ガン性の食事をしている。大部分の徹底した菜食主義者もそうだ。理論的には、こうした人々の血液の一部をガン患者に与えてあげれば、治療に役立つだろう。その抗ガン効果は、即効かつ強力である。驚くことでもないが、FDAは、「医薬品」として我々が血を売るのを禁じている。だから、健康な食事をして自分の血を1パイント(約0.5リットル)千ドルで売って儲けようとしても無理だ(もちろん、本当に自由な市場であれば、その価値は 十分にあるだろう)。
問題はそれだけでなく、仮にそうして血液を提供してもらっても、効果は長続きしない。輸血を受けた人が生活スタイルを良い方向に変えない限り、提供を受けた「健康」な血液の抗ガン性質は数日で消失し、その人本来の造血作用で圧倒されてしまう。
そこで、重要な問題に突き当たる。どうやって血は作られるのだろうか?
身体はどのように血を作るか?
一般的に人間の赤血球は、4~5ヵ月程度の寿命しかない。身体は、絶えず新しい血を生産し、重要な仕事(全身に栄養、ホルモン、水、化学的なメッセージ、さらに情報までも運ぶ仕事)をするために血流に放っている。
基本的に血液は3つの要素から成る。赤血球(酸素を運ぶ)、白血球(免疫機能)、血漿(その他もろもろを運ぶ溶液)である。
身体は、その無限の治癒力の英知で、赤血球が多く必要なときは、自動的に新しい赤血球を生成する。当然ながら、その時に利用可能な材料を使って、赤血球を作ることになる。その時に血液を循環している材料ということだ。
もう分かっただろうか?「今日」作る血球が、今後4ヵ月間、身体の中を循環することになるが、それはまさに現在あなたの血液中に運ばれている材料で作られるのだ。
さて、今のあなたの血液の中にはどんな材料があるだろうか?
その血液は、過去数ヶ月に、あなたが食べたもの、飲んだもの、吸収したもので大半構成されている。
もし今日マクドナルドでチーズバーガーを食べ、さらにラージサイズのコーラで追い討ちをかけたなら、あなたの身体が今日製造する血球は、チーズバーガーとコーラを材料の一部にして作られることになる。いったいチーズバーガーがどんなところからやって来るか考えてみるとよいだろう。ホルモンやアンモニアを注入され、残酷に屠殺された牛の肉、精白された小麦粉のパン、プロセスチーズ「食品」その他だ。今後数ヶ月間、あなたの血管をこうしたものが流れるわ けだ。それがお望みだろうか? おそらくそうは思わないだろう。
一方、過去数日間に、新鮮な生きたジュース、スーパーフードを食べ、清浄で活力ある水を飲んでいたならば、新たに作られる血液はどんなものになると思う? 摂取したあらゆる飲食物の要素と活力で満たされた「スーパー血液」になることだろう。
悪い血液は、悪い健康状態をもたらす。怒りっぽく、気分のムラの激しい精神状態と、慢性的な病気をもたらす。反対に、良い血液は、幸せで健康な状態をもたらす。よく眠れ、性的活動も快調で、気分も安定し、認知機能も良くなる。良い血液は、身体を若く活き活きと保ち、ガンを防ぐ。そして、いろいろなレ ベルで身体の自己治癒力を高める。
これを理解したならば、毎日、良い血液を作るよう意識して努めるのは当然のように思えるはずだ。
赤血球の驚くべき事実
・赤血球は、人間の身体細胞の4分の1という圧倒的な割合を占めている。だが実は、体内の殆どの細胞は、人間の細胞ではなく、バクテリアだ。
・赤血球は、およそ20秒で全身を循環する。一つの赤血球は、何万回も全身を巡回し、細胞に酸素を輸送した後、免疫システムによってリサイクルされる。
・人間の赤血球は、植物のクロロフィル(葉緑素)細胞と分子的に酷似している。
・赤血球の一部はコレステロールで生成されている。製薬企業はコレステロールに悪者のレッテルを貼ろうとしてきたが、実を言うとコレステロールがなければ生きていけないのだ!
人体で赤血球が動く様子を描いた次の驚くべきアニメーションをよく見てほしい。20秒で全身を巡る様子が実際のスピードで表現されている。
血を掃除する
良い血液とは、きれいな血液のことだ!
基本的に血液は腎臓と肝臓で掃除されるが、呼吸を通じ、肺も若干の「掃除」機能を果たしている。皮膚にも血液を掃除する役割がある。
透析治療を受けている人に尋ねてみればわかるが、血液を掃除すると随分と違うものだ。本来はその役割を果たすのが腎臓であるが、多くの人は腎機能が 損なわれているため、血液から老廃物を除去する役割を腎臓細胞が果たせていない。(参考までに、ソーダを飲むと、腎機能が損なわれる)
そのため、ときどき腎臓や肝臓を浄化するという発想になる。これらの臓器が円滑かつ効率的に血液をきれいに保つよう機能するようにすれば、心身の健 康を良好に保つことができる。私が知っている範囲でベストの浄化製品は、エド・グループ(Ed Group)のグローバルヒーリングセンター(
www.GlobalHealingCenter.com)の製品か、ベースライン・ニュトリショナル(
www.BaselineNutritionals.com)の製品である。
良い血をつくる方法
あなたは、あなた自身に血液を供給する血液バンクだ。自分の血はすべて自分で製造・流通している。自分の生命が、自分の血に依存している以上、可能な限り健康的で、活き活きとした血液を製造することには、大いに意味があるはずだ。
そして、それは可能である。我々は、自分が製造する血の品質を意識的にコントロールすることができる。飲食・吸収するものが血をつくるわけだから、より健康的なものを意識的に選んで飲み、食べ、呼吸、吸収するように努めれば、血液の成分を変えることができる。
健康な血を作るための、最強のヒントの一部を挙げると、次の通りだ。
健康な血には、健康な脂肪が必要
健全な赤血球をつくるためには、健全な脂肪を摂取しなければならない。健康的なオメガ3脂肪酸を摂取するという意味だ。
植物界では、ココナッツ、アボカド、フラックスシード(亜麻仁)、チアシード(Chia seeds)、その他類似物に健康的な脂肪がある。
動物界でベストのオメガ3脂肪酸は、私の考えでは、モクサー(Moxxor)の
緑唇貝(green-lipped mussel)の油である。これは無垢の清浄な海で採取されている。Moxxorのことを知りたい場合は、
ジョナサン・ランヅマンのMoxxorのページを見ると良いだろう。
ノルディックナチュラル(Nordic Naturals)やカールソンラブス( CarlsonLabs)などのメーカーの魚油サプリなど、他にも優良な摂取源がある。オキアミ油( krilloil)でオメガ3系を摂取する人もいる。リビングフエル(
www.LivingFuel.com)などが良質の魚油サプリを提供している。良質なオメガ3系の油は、他にもある。自分に最適なものを探してみると良いだろう。健康に良いオメガ3脂肪酸を摂取するほど、血液は健康的になるだろう(もちろん、そ れだけで良いわけではない)。
有害な脂肪を摂取すれば、血液の健康状態は損なわれる。有害な脂肪とは、トランス脂肪酸とフライ料理された脂肪などである。
健康な血液を作るには、正しいミネラルも必要だ。赤血球そのものは鉄を必要とする。だが、身体としては様々な微量ミネラルも必要としており、それを 身体の細胞に届けるのが血液である。カルシウム、マグネシウム、亜鉛、セレニウムといったミネラルの量が不足すると、生物学的な機能が歪み始める。
当然ながら、健康な血液には大量の水分も必要だ。水は、血漿の基盤となる液体だ。ビタミンCのような水溶性のビタミンなど、健康に必要不可欠な要素を溶かして運ぶ溶剤が水である。
十分な水分がなければ、ドロドロの血液になってしまう。粘着性のあるベトベトの血液になるため、心臓のポンプは、循環システムの中になかなか送り込 むことができない。そして、無理矢理に血液を身体に送り込むポンピング活動をすることになるが、これがしばしば「高血圧」と診断される。
人間の血液には、他にも多くの要素が必要である。その全ては植物を基本とした食事の中にある。血液に必要なタンパク質もそうである。
あなたは、現代科学ができないことをしている
血液が持つ健康増進効果を考えるにあたっては、次の驚くべき事実を忘れないように。
現代科学には、人間の血液を作ることはできない。しかし、あなたにはできるのだ!
もちろん、人工血液を作る試みはなされている。だが、臨床試験の結果によれば、人工血液はうまく機能しないことが示されている。本物の血液が運ぶ酸素の一部しか運ぶことができず、長期的には血液の代替物にならない。だが、あなたには、現代医学が開発してきたどんな技術よりも進んだ技術で血液を製造す る能力がある。
自問すべきことは一つだ。今日、どんな血を作るか?(そして、明日も・・・)
トランス脂肪、ゲータレード、医薬品、ジャンクフードのタンパク質で、血を作るだろうか? それとも、生きた果物・野菜、健康的なオメガ3系脂肪、そして母なる自然のポジティブなエネルギーから血を作るだろうか?
それは、人それぞれの毎日の選択である。良い血を持つことも、悪い血を持つこともできる。あなたの健康状態は、血液の品質をモロに反映したものになる。
健康状態を改善したい? ならば、血液を改善すべきだ。そうすれば自動的に健康状態も追随するはずだ。
(翻訳:為清勝彦
Japanese translation by Katsuhiko Tamekiyo)
原文の紹介・関連情報
Part Four -
Transform your health by making new blood