15日間で自力で癒す 第13回 ソーシャル・ヒーリング

投稿日: 3/25/2011

今回は、「社会的治療(ソーシャル・ヒーリング)」の世界に冒険してみよう。私自身、ほんの2年前まで、そんな考えは信じていなかった。だが次第に、「どこに住むか」も大事だが、それと同等に(恐らくそれ以上に)大事なのは、「誰と住むか」だということに気付くようになった。

健康意識が高く、エネルギッシュで、健康と幸福を追い求める人々に囲まれて住めば、とても強い感化を受ける。そうした人々は、気分を高揚させてくれるし、ポジティブな方向に変化するようインスピレーションを与えてくれる。自分自身が達成したいと思っている健康状態の輝かしいお手本にもなってくれる。

そんなことは分かっているが、健康的な生活を志す人に囲まれていない場合はどうするのだ?と疑問に思われるだろう。そこが考えどころである。あまり 健康的でない生活を追求し続ける家族や知人とどう付き合っていくか? あるいは、あなたまで非健康的な生活に引きずりこもうとする人々をどうしたらよい か?

これは難しい問題だ。身近な存在であるほど難しいだろう。読者との会話で知った典型的なパターンだが、彼女は中年の女性で、本当に健康的な生活を望んでいる。ところが、夫は、「肉とポテト」人間であり、サラダとかスーパーフードとか栄養面にはまるで関心がない。

そんな場合に、どうしたらよいか?

単純な三段階の手法を紹介する。役に立つかもしれない。

周囲の人を健康にする三段階手法

(第1段階) 最初は、あなたの目標を秘密にしておく。



例えば、体重を落としたいとか、特定の病気を治したいとか、何らかの健康改善を実現したいという目標を持っていても、それを周囲の人々に告げる必要はない。なぜ? 協力的でない人に話しても、そんなものは無意味だと即座に却下されるからだ。あるいは、そんな努力をしてどうすると非難されるに決まっているからだ。(最初の段階では)目標を自分の心中に秘めて、失わないようにしよう。そして、試行錯誤で食事や生活習慣を変えてみて、自分にとって効果ある 方法を探していく。秘密にしておけば、やっていることを監視されたり、とやかく言われることもない。周囲のプレッシャーを避けることができる。

(第2段階) そして、楽しみながら健康改善を続ける。



その結果、自分に良いと思って決めたこと(食事を変えたり、運動の仕方を変えたりすること)を、ただひたすらに実行していこう。もし誰かに「どうして変わったの?」と質問されたら、「楽しいから」と答えればよい。あるいは「好 きだから」と言うだけでよい。それ以上、説明する必要はないのだ。楽しければ、それだけで十分な理由である。

(第3段階) 人が羨む事例になる。



新しい習慣を実行していけば、いずれ心身に変化が生じる。肌が良くなり、過剰な体脂肪が減り、活力やスタミナがつき、気分が良くなり、変性疾患の症状も薄らぐだろう。そうなると、周囲の人も注目するようになる。あなたがやっていることに彼らが 興味を持ち始めるのは、このタイミングだ。そして、その内に質問してくる。「最近、若々しいね。元気も良いみたいだし。その秘訣は?」

誰しも秘密を知るのが好きである。秘密だからこそ、何か価値あるもの、良いものに見えるのだ。だからこんな風に言うと良い。「本当に秘密が知りたい? とても単純で簡単だから、誰でもできるし、実際に効果があるよ。でも、くどいようだけど、本当に知りたい?」

そのように言われると、誰でも秘密を知りたいという誘惑を抑えられない。だから、身を乗り出して「知りたい!秘密を教えて」と言うだろう。そこで彼 らの耳元にそっとささやくのだ。「ジュースを作ること」とか、「毎日、1時間歩くこと」とか、あなたが秘密に実行してきたことを。

この段階になると、彼らはあなたの情報を高く評価するだろう。彼らが質問してくるのを待たずして、あなたの方から口に出してしまえば、情報の価値を あまり感じてくれなかったはずだ。あなた自身を見て同じようになりたいと感じるものがあったからこそ、そして、彼ら自身に疑問が芽生えて質問したからこそ、あなたの情報は評価される。要するに、ここでの秘訣は、情報を押し付けないことである。彼らがやって来て質問するまで待つとよい。そのときに備え、自 分自身に効果があったことで、彼らにも推薦してよいことを教えてあげる準備を整えておくと良いだろう。

ポジティブな波及効果



このようなことが起き始めると、やがて時間の経過とともに、家族や友人などに影響が広がり、周囲の人々の健康状態にポジライブな変化の波及効果が及んでいくことに気付くだろう。これがお互いの支えあいとなり、今度は、あなた自身の健康的な生活スタイルのを支えることにもなる。以前は健康にまるで関心 がないように思えた人が、一転して健康に関心を持ち始めて驚かされることもあるだろう。

また、以前はあなたのことを批判していた人(最初の段階で目標を話してしまった場合だが)が、突然やって来て、健康の方策を教えてほしいと言い出すかもしれない。医者に行って糖尿病と宣告されたとか、乳房にしこりが発見されたのがきっかけかもしれない。そういうことがあれば、突然、健康問題の解決に興味を持ち、新しい方法を探すようになる。新たに関心を持ち直し、以前はまるで関心のなかった健康や栄養について、あなたに聞きに来るようになるだろう。 そのタイミングこそが、健康に満ちた生活を送る健康で幸福なあなたが輝くときである。

もちろん、彼らに説教したり、現状の非健康的な食べ物を非難する必要はない。誰しも、ホットドッグを食べたり、殺菌牛乳を飲んで、バカだとは言われたくない。そうではなく、選択肢を変えることで、改善できる可能性があるので、試してみたらどう?という感じで誘ってみるとよいだろう。そして、彼らの関 心の強さに応じたスピードで、新しい試みの実践に導いてあげればよいだろう。

以上が、時間をかけて周囲の人々の健康を向上する方法である。こうすることで、あなた自身の健康習慣を支える家族や友人のコミュニティを形成することにもなる。

引っ越しは?



周囲のコミュニティの支援を得るには別の方法もある。自分が健康に有益な場所に引越すことだ。

私の出身地のカンザス・シティ地方は、健康よりもバーベキューで有名である。カンザス・シティーに行くと、新鮮な野菜や無農薬野菜を買う場所がなくていつも苦労する。1年前にはノースカロライナ州にいたが、そこも似たようなものだった。クリーブランド(オハイオ州)も、必ずしも健康の中心地ではない と聞いている。

だが、マイアミ、ニューヨーク、シアトル、ポートランド、ロサンゼルス、ヒューストン、サンディエゴ、トロント、サンタフェなどの都市には、健康意識が高く、あなたと興味が一致する人が実に沢山いる。素晴らしい場所だ! 今住んでいるところが場違いのように感じていて、もっと健康意識の高い人に囲ま れた生活がしたいならば、一般的に言って西でも東でもよいが海岸を目指すことだ。そうすれば、もっと健康意識の高いコミュニティが見つかるだろう。

別の都市に引っ越すなんて、少々過激な方法に思えるかもしれない。だが、現在住んでいるところではもはや選択肢が無いのであれば、そして、あなたの 目標に協力して支えてくれるコミュニティを享受したいのであれば、あなたの人生にとって引っ越しがベストの選択かもしれないのだ。

自分の重視する生活スタイルに協力的な健康意識の高い人々に囲まれるように努めることは、健康を目指す上で最重要なことの一つであると思う。

だから検討の価値はある。その可能性は常に念頭に置いておくとよいだろう。そして、あなたが願っている健康志向の生活スタイルを実際にやっている人 々のコミュニティに身を置くことで、その協力・支援を受けるには、どうすればよいか、あらゆる選択肢を調べてみるとよいだろう。そうした人々に囲まれると、間もなくあなた自身も彼らの一人になっており、同じような成果を得ていることに気付くはずだ。健康的な人々と交流し、支援を受ければ、その影響を受け てすぐに健康になる。

「社会的治療」には効き目がある。周囲の人々を向上させるか、それとも、自分が似たような意識を持つ人々の支えてくれる別の場所に引っ越すか、それはあなたの選択だ。どっちの方法でも、健康で幸福になれる。では、エンジョイ!

(翻訳:為清勝彦 Japanese translation by Katsuhiko Tamekiyo

原文の紹介・関連情報



Part Thirteen - The people around you

コメントがおありですか? シェアしてください...

comments powered by Disqus