考える人は精神病に分類される

投稿日: 3/25/2011


イーサン・A・ハフ(常勤ライター)

By Ethan A. Huff

「精神障害の診断と統計の手引き(DSM)」の4度目の改訂作業が行われているが、その中で、精神科医たちは、まったく新しい精神障害を大幅に追加したがっている。その多くは個性や行動の違いに過ぎない。

新版では、「反抗挑戦性障害」といった「障害」が含まれるかもしれない。これには、「権威ある人物に対して否定的、反抗的、従順でない、敵対的な行 動」パターンを持つ人も該当する。この障害の「症状」には、カッとなること、人を立腹させること、「気難しい」ことも含まれる。

その他に検討されている「障害」としては、反社会的行動、傲慢、シニシズム、ナルシシズムのような性格の欠陥がある。食べ物の不摂生や、かんしゃく持ちの子供といった分類さえある。

すでに現状でも子供たちは、必要以上に躁鬱とかADD(注意力欠如障害)と診断されすぎている。結局は、危険な抗精神病薬の処方につながっている。子供たちの行動をより多く精神障害と分類すれば、不必要に抗精神病薬を処方される子供の数を増やすだけである。

DSMの改訂の度に、論議を呼ぶような追加があるが、今回も例外ではない。実際、マニュアルはだんだん厚くなっている。今回提案の改訂で最も不穏なのは、いわゆる医療の専門家が個人の性格を調査する際の方法が、ずうずうしく露骨な新方式になっていることだ。

変わった個性を持つ子供が、その個性のために奇抜な行動を見せると、精神疾患と分類されることになる。昔からこの基準で診断されてきたならば、モーツァルトやアインシュタインのように通常の枠組みから飛び出して新しい発想にたどり着く人は存在しなかったかもしれない。

ワシントン・ポストの記事は、このことを的確に表現している。

「今日、7才のモーツァルトがコンチェルトを作曲しようとすれば、注意欠如・多動性障害と診断され、投薬で才気の無い『正常』にされるかもしれない」

性格の違いまで精神病と解釈するとなると、人間は個人的な義務を感じなくてよくなるが、同時にユニークな人間性を奪われることになる。自分で考えることができず、医薬品でコントロールされるだけの存在に貶められる。

そこにDSM改訂を背後で推進している存在がある。製薬会社だ。実質的にほとんど全ての人を精神障害に分類し、薬が必要だということにすれば、製薬会社はとても儲かる立場にある。

だが、どちらかといえば、こんな馬鹿げたことを考案している精神科医や医薬貴族たちを本物の精神病者と診断する方が、正しい。彼らこそ施設に収容する必要があるだろう。

引用情報:ワシントンポスト

(翻訳:為清勝彦 Japanese translation by Katsuhiko Tamekiyo

原文の紹介・関連情報



原文 Now independent thinkers are considered diseased by psychiatry

NaturalNews.com

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